ご縁を感じる
装備も知識もなにもないまま
大海原に出ると決めた私を
助けてくれたのは、
長女を産んだ助産所でできたご縁でした。
助産所で出産された方の中には、それまでは出会わなかった職業の方が多くおられました。
カメラマン、農家さん、八百屋さん、様々な職人さん、、
そのなかで私が唯一連絡先を交換したのが、
私の出産直後に、破水しましたと電話がきて
無事に一日違いで出産された木彫家さんご一家でした。
入院中、1度奥さまと一緒にお昼ごはんを食べて、いろいろとお話を伺って
こんな自由な生き方をしている人がいるのだなぁと驚いたものです。
入院中のお部屋は個室でしたが、
ずっとその人の部屋であったかのような空間になっていました。
なにやら陽気な音楽が流れ、
平日の昼間に旦那さんがいて
親しい方に送られるのでしょう、
墨を摺って、赤ちゃん誕生のお葉書を
何枚か書き上げておられました。
素敵な時間の使い方だなぁと
刺激をたくさんいただきましたが、
退院後はご無沙汰していました。
それが、
おおよそ1年後、
退職して、
祖父母の畑を借りて野菜を育てたいと、
実家近くの物件に引っ越したところ
あの木彫家ご一家と同じアパートだったのです。