ご縁が深まる
木彫家ご一家の、隣の隣のお部屋に引っ越した我々。
あまりの偶然に驚き、
お互いに再会を喜んで、
家族で夕食をご一緒したことがありました。
その時、私はほやほやの専業主婦、
主人はアパレル系のサラリーマンでしたが、
内心は、家族でいる時間がもっとあればいいなぁ、
主人も一緒に野菜を作ってみんなで食卓をかこむことが日常になったらいいなぁ、
と思っていました。
いつか、そうなればいいな、と。
冗談半分で伝えたことはありましたが、
それについて真剣に夫婦で話し合うということはありませんでした。
が、
夕食をご一緒したときに、
もらった一言で
主人のこころが動いたのです。
その日はうちで、餃子をしました。
キャベツをたっぷりと、
豚挽き肉、
ニラとニンニクとしょうが。
炒めた茄子を入れるのは母に教わりました。
美味しい~~と
100個以上包んだ餃子をみんなでペロッと食べた後でした。
『ご主人は、生活を仕事にしたいんですね』
そう!
それ!
はっ としました。
生きていくのに必要だと思っていたお金。
仕事は、世の中のためになるように、とか
社会人として、とか
自分を納得させていたけれど、
お金を稼ぐためにやっていた。
でも、 大震災をリアルタイムでテレビで見たとき、
迫る津波から守ってくれるのは
お金じゃなかった。
自分しかいなかった。
その一瞬で、どう判断するか、
それは
その時自分が、
どんな自分でいるか、に
かかっている気がした。
どこにいて
なにをしていて、
どんな責任があるか。
そんなことを、
自分自身で納得して決めていたい。
漠然と感じる、
予測不能の出来事への不安も、
そうすることで、解消されそうな気がした。
それを日常にしたい。
でも実際問題、お金は要る。
それを表してくれた一言でした。
『生活を仕事に』
この言葉から動き出しました。