ご縁が繋がる

主人も急に仕事を辞めると言い出したこと、

 

夫婦二人して、脱サラ。

子ども、一歳。

 

収入のあて、ナシ。

さきの予定、ナシ。

 

なんにもナッシングー!

 

 

今となれば、

 

よくそこから、

初めての八百屋さんにたどり着き、

農業研修の受け入れをしてくれそうな連絡先をいくつか教えてもらい、

家族で訪ね、

受け入れてもらえることとなり、

研修を始め、

畑の近くに引っ越して、、

 

と、

 

トントン進んだものだと思います。

 

 

八百屋さんも、

研修先の農家さんも、

同じ助産所で出産されていたのも

偶然ではないような気がしてきます。

 

とにかく、

主人はみっちり野菜作りを教わり

私は子どもと畑での生活を体験するという、

 

充実した1年を送ったのでした。

 

 

そこでの日々は、1日1日が濃すぎて

1冊の本にしたいと思うくらいです。

 

 

山の麓で

いい風が吹いていました。

 

面白い人がたくさん集う場所でした。

 

たくさん話をしました。

 

 

 

生きることに、真剣。

 

今まで感じたことのない

ドキドキとワクワク。

ハラハラも。

 

 

ロールプレイングゲームの主人公みたいに

 

それまでの私の常識からぶっ飛んだ非日常でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご縁が深まる

木彫家ご一家の、隣の隣のお部屋に引っ越した我々。

 

あまりの偶然に驚き、

お互いに再会を喜んで、

家族で夕食をご一緒したことがありました。

 

 

その時、私はほやほやの専業主婦、

主人はアパレル系のサラリーマンでしたが、

 

内心は、家族でいる時間がもっとあればいいなぁ、

主人も一緒に野菜を作ってみんなで食卓をかこむことが日常になったらいいなぁ、

と思っていました。

 

いつか、そうなればいいな、と。

 

冗談半分で伝えたことはありましたが、

それについて真剣に夫婦で話し合うということはありませんでした。

 

 

が、 

夕食をご一緒したときに、

もらった一言で

主人のこころが動いたのです。

 

 

その日はうちで、餃子をしました。

 

キャベツをたっぷりと、

豚挽き肉、

ニラとニンニクとしょうが。

炒めた茄子を入れるのは母に教わりました。

 

 

 

美味しい~~と

100個以上包んだ餃子をみんなでペロッと食べた後でした。

 

 

『ご主人は、生活を仕事にしたいんですね』

 

 

そう!

 

それ!

 

はっ  としました。

 

 

生きていくのに必要だと思っていたお金。

 

仕事は、世の中のためになるように、とか

社会人として、とか

自分を納得させていたけれど、

お金を稼ぐためにやっていた。

 

 

でも、 大震災をリアルタイムでテレビで見たとき、

 

迫る津波から守ってくれるのは

お金じゃなかった。

 

自分しかいなかった。

 

その一瞬で、どう判断するか、

 

 

それは

 

その時自分が、

どんな自分でいるか、に

かかっている気がした。

 

どこにいて

なにをしていて、

どんな責任があるか。

 

そんなことを、

自分自身で納得して決めていたい。

 

 

漠然と感じる、

予測不能の出来事への不安も、

そうすることで、解消されそうな気がした。

 

 

それを日常にしたい。

 

でも実際問題、お金は要る。

 

 

それを表してくれた一言でした。

 

 

『生活を仕事に』

 

 

この言葉から動き出しました。

 

 

 

 

 

 

ご縁を感じる

装備も知識もなにもないまま

大海原に出ると決めた私を

 

助けてくれたのは、

長女を産んだ助産所でできたご縁でした。

 

助産所で出産された方の中には、それまでは出会わなかった職業の方が多くおられました。

カメラマン、農家さん、八百屋さん、様々な職人さん、、  

 

そのなかで私が唯一連絡先を交換したのが、

私の出産直後に、破水しましたと電話がきて

無事に一日違いで出産された木彫家さんご一家でした。

 

入院中、1度奥さまと一緒にお昼ごはんを食べて、いろいろとお話を伺って

こんな自由な生き方をしている人がいるのだなぁと驚いたものです。

 

入院中のお部屋は個室でしたが、

ずっとその人の部屋であったかのような空間になっていました。

 

なにやら陽気な音楽が流れ、

平日の昼間に旦那さんがいて

親しい方に送られるのでしょう、

墨を摺って、赤ちゃん誕生のお葉書を

何枚か書き上げておられました。

 

素敵な時間の使い方だなぁと

刺激をたくさんいただきましたが、

退院後はご無沙汰していました。

 

 

 

それが、

おおよそ1年後、

退職して、

祖父母の畑を借りて野菜を育てたいと、

実家近くの物件に引っ越したところ

 

あの木彫家ご一家と同じアパートだったのです。

 

 

これまでの転機

一人目が産まれたとき、

 

隣ですやすやと眠る、

まっさらな赤ちゃんを見て

この子が生涯幸せに生きられますように、と強く思いました。

 

そして、

幸せであるためには

社会も世界も平和であることだと。

 

 

でも、世の中恐ろしいニュースや紛争のニュースが連日。。

 

その時サラリーマンだった私は

大きな力に逆らえない無力感と

大きな組織の中にいる安心感との中にいました。

 

世界の平和なんて、

さらに自分の無力感を感じる中で、

気休め程度に祈ることしかできませんでした。

 

 

私にできるのは

仕事に行って

家族を持って子育てもして、

そのなかで幸せを感じること。

 

自分のことなのに、

自分の人生の決定権はどこか別にあるような感覚。

 

大きな力に巻き込まれてしまうのはしょうがないことだと、あきらめて。

 

そうやって

生きていくのだと思っていました。

みんな、そうなんだ、と。

 

でも、娘が1ヶ月のときに起きた3.11東日本大震災

 

やっぱり

自分が大切に思うものを

大切にして生きたい。

と、思ったのです。

 

 

お金があればよいと思っていたけれど、

それは必ずしも幸せではない。

お金があるからといって、必ずしもそれが豊かだというわけではない。

 

生きていくために必要なことは、

もっとシンプルなことなんだ。

 

 

稼ぐ、が優先だった前提が、ガラガラと崩れました。

 

 

 

自分のことは、

自分で決める。

 

優先順位を、変える。

 

まず、仕事をやめよう。

 

決めるのは、勇気のいることでした。

 

プールの中でゆらゆらと泳いでいたのが、

大海原に出ていこうとしているのです。

 

 

 

うじうじと、

半年くらい悩みました。

 

 

気になっていたキーワードは、

野菜。子育て。

 

自分達が食べるものは

誰が作ったかわからないものではなく、

安心だと喜んで食べられるものがいい。

 

野菜を作りながら、

季節を感じながら、

土に近い生活をしながら、

子育てをしたい!

 

 

その気持ちを、はるか向こうの灯台の灯りのように目印にして、

 

 

 やっと退職する決心がついたのです。

 

 

 

新生児訪問

今日、

地元の助産師さんが新生児訪問に家まで来てくださいました。

 

 

赤ちゃんの身長、体重などの他に

産後の母体のことについて

笑えてますか、など

いくつかの項目チェックがありました。

 

うつ傾向がないか確認してくださっています。

 

 

 

この訪問、

いつも楽しみなんですよねー。

 

赤ちゃんが産まれて、

有無を言わさず

赤ちゃんと24時間一緒にいる生活が始まって。

 

ほとんど家から出ないし、

 

家族以外の大人の人と話をする機会はほんのわずか。

 

その貴重な時間のひとつであるのです。

 

実際、世間話のほうが長いときもあるのだそう。

 

 

私も今日、

すっかりリフレッシュできました!

 

 

 

 

 

妊婦検診

助産所での妊婦検診は、

短くても30分、

長いと1時間以上になることもありました。

 

 

尿糖、尿淡白の検査、

血圧、体重測定のほかに、

 

 

赤ちゃんのエコー。

 

K次郎の妊娠中には

エコーを見なくて、

赤ちゃんの心音を確認してくださっていました。

 

 

エコーも、WHOが推奨しているのは妊娠中に3回なんだそうです。

 

どんな影響があるか、

わかっていないからだそう。

 

 

エコーって、普通に見るもんだと思っていたけれど、

そんなに丁寧に見るのは日本くらいなんですって。

 

 

 

その他は、、

助産師さんとの問診、お話です。

 

 

初回は家族構成や、

それぞれの持病、

自分が産まれたときのこと、

これまでの出産のこと、、

 

今回の出産のベースになることを

丁寧にきいてくださいました。

 

 

その後、

毎回の検診では

最近の変化や

その時々で気を付けることなど。

 

私は腰痛があったり

食欲がなかったり

夜中に寝にくい、など

気になることなんでもお話しして

 

話すとスッキリできたものです。

 

 

赤ちゃんや自分のこと以外にも、

近場のお店や、

美味しいレシピなども教えていただいたり。

 

 

 

お互いのことをよく知ることができて

お産への安心感へも繋がりました。 

助産所って大丈夫?

母が私を出産した時にはもう、

病院で産むほうが多かったようですから、

 

 

私が助産所で産みたいと言ったときには

 

 

助産所

まだあるの?

 

大丈夫なの?

 

と、

不安の塊でいっぱいの渋い顔。

 

 

私だって初めて出産やし

わからへんわ~~と思って

 

見学の時に母も一緒にいってもらうことに。

 

 

 

着いたところは住宅街の中の一軒。

 

やっぱりごく普通のおうちでした。

 

玄関を上がってすぐの和室、

ここで産みます、というお部屋に通され、

出てきた年配の女性の先生が

 

電話でのようにハキハキとした声で 

我々の不安に一つずつ答えてくださり、

 

母も安心できた様子でした。

 

 

 

助産所って大丈夫?

って、

わりとよく思われるみたいです。

 

でも私が思うのは、

 

人間も動物だということ。

 

もし自然界で、命を生み出すときに

医療介入が必要な動物ばっかりだったら、

その種は絶滅してしまうのではないかということ。

 

それを思うと、

本当に医療が必要なのは少数のケースで、

それをよく知っているのがお医者さんだったり助産師さんだと思うのです。

 

私たちも、

助産所で産むという選択をしましたが、

 

自然に産むことにこだわるのではなくて

母子が安全であることが最優先なのだから

 

もし妊娠中や出産時に助産師さんが

病院で産む、病院に搬送する、薬を使う、、等々の判断をされるのであれば、

素直にそれに従おう

ということは、夫婦の間で確認しあっていました。

 

 

もし万が一の急を要する場合でも、

提携している病院にすぐ搬送してくださり

助産師さんも同行してくださるとのことでした。

 

それだと

救急の病院が見つからない、またはたらい回しになるといったこともないのではないでしょうか。

 

 

助産所、気になるけど

ちょっと、不安、、なんて方がいたら、

 

とにかく助産所を訪ねて直接聞いてみることをおすすめします。

 

 

そこからの判断でも遅くはないし、

 

新しい可能性が広がるかもしれないですから。